開放度理論
村上九段と宮崎四段が初心者のために考案した戦術です。中盤の考え方を分かりやすく示した理論のこと。これを使えば7〜8
割の確立で最善手が分かるというものらしい。ただし慣れるまでは時間がかかる。僕は使ったことがありません。
理論というからには何か堅苦しくて難しそうに思いますが簡単な足し算が出来れば問題はないので練習あるのみです。
下の局面を例にして考えます。
白12 f3へ
ABCDEFGH
1++++++++
2+++○●+++
3+○○●○◇++
4+●●●○●++
5+●○○○+++
6++++++++
7++++++++
8++++++++
次は黒番です。
再生
この場面で黒が着手できる箇所を下に示しました。ア〜タがそれにあたります。
ABCDEFGH
1++アイウ+++
2エオカ○●キ++
3ク○○●○◇ケ+
4+●●●○●コ+
5+●○○○サ++
6+シスセソタ++
7++++++++
8++++++++
これを確認してイ(d1)の開放度を試しに計算をしてみます。黒がd1へ置いた時はd2の白石が黒に変わります。このd2に接する座標
は8個(c1,d1,e1,c2,e2,c3,d3,e3)ありますが、そのうち駒が置かれていないのは4個(c1,d1,e1,c2)です。この4がd1へ着手したとき
の開放度となります。
カ(c2)に置いたときはどうでしょうか?c2へ置いたときはd2とc3の白石が黒になります。2箇所以上の石が返る場合はそれぞれの
開放度を出してそれを足していけばいいのです。やってみますとd2とc3の開放度は順に4と2になるので4+2=6だからこの場合の
開放度は6になります。残りの開放度を計算し以下に示します。
ア=4+1=5
イ=4
ウ=4+2=6
エ=5
オ=5+2=7
カ=4+2=6
キ=1+4=5
ク=5+2=7
ケ=1+4=5
コ=4
サ=1+4+3+3=11
シ=3
ス=3
セ=3+3+4=11
ソ=1+1+4+3=9
タ=4
開放度理論はこの開放度が小さい値ほど好手といわれますのでその中から選んで置いていけばいいことになります。
ついでに解析結果も示しておきます。
ABCDEFGH
1++030106+++
2203001○●04++
306○○●○◇06+
4+●●●○●05+
5+●○○○10++
6+0502161206++
7++++++++
8++++++++
※ただし■はプラス評価、■はマイナス評価とする。
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